古代オリンピックのボクシング
古代オリンピックのボクシング
現在、格闘技のトップブランドとして、技術も知名度も高いボクシングですが、その歴史は紀元前にまで遡ります。
かつてのボクシングは現在のようなリングではなく、砂場のような競技場で行われていました。1R3分のような時間的制約もないため、インターバルに汗や血を拭ったり、止血したりする時間もなく、ノックアウトし、片手を上げて勝ち名乗りを受けるまで休むことなく闘い続けたそうです。手にはグローブではなく、皮製のヒマンテスと呼ばれるものを巻き、腕の方には柔らかいものを当て、その上に皮紐を巻きつけたものを着用していたそうです。ローマ時代には金属のついたものも使用され、殺傷力は非常に高まり、競技者の顔は傷だらけになったそうです。当時から、顔に向かって放たれるパンチをかわすための技術として、フットワークが重視されていたといわれています。このように危険なヒマンテスを着けて闘えば、当然流血しますが、当時の人々にとっては、流血とは神に生け贄を捧げるという意味に捉えていたそうです。また、現在のように体重別の競技ではなく無差別であったため、強い競技者の多くは大型であったようです。ボクシング競技は紀元前688年の第23回から種目に加わっており、紀元前616年の第41回からは少年部も種目に加わっています。
ルールが選手の生命を考えたものに整備された現在でも非常に危険な格闘技であるボクシングですが、紀元前のものは更に凄まじいものですね。もし当時のままのルールであったとしたら、現在のように認められた存在にはなっていなかったかもしれませんね。
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