諸賞流和術の伝説
諸賞流和術の伝説
激烈な当身の強さで知られた諸賞流和術は、盛岡藩の流儀として御留流になりました。第54代諸賞流師範佐藤延学の時に、その技術の凄まじさを証明する出来事がありました。それは殿中で開催された甲冑試合での出来事です。佐藤延学自身は老齢で病に伏せっていたため、代わりに門下生の松橋宗年が出場することになりました。そこで貸し出された防具を見た松橋は、試合を辞退すると言い出しました。理由を訊かれた彼は、鎧を柱にくくりつけると、水月に当たる部分に肘打ちを入れました。外側にはこれといった変化がありませんでしたが、鎧を外してみると、鎧の内側が破壊されていたそうです。このことがきっかけとなり、以降他流仕合が禁止となり、藩中での稽古のみが許可されることとなりました。また、諸賞流の秘伝に「雁金」というものがあります。この技術は人間の肩胛骨を一瞬で引き外してしまうという、極めて危険な技であるそうで、印可を受けた者の人格を充分に検討した上で授けられるそうです。
1300年以上の歴史を持つ諸賞流和術は、消えてしまった幻の武術ではなく、現在でも岩手県盛岡市に連綿とその道統が伝えられています。もしも、総合格闘技の試合に諸賞流和術の印可を受け、秘伝「雁金」を授けられた選手が登場してきたとしたら、どのようなことになるのか非常に興味惹かれるところです。登場するというだけでも、ドキドキしてしまいます。






