行司と階級
行司と階級
行司には階級があります。立行司 、三役格、幕内格、十両格、幕下格、三段目格、序二段格、序ノ口格が定められています。最高位は立行司で、木村庄之助と式守伊之助の二人からなります。階級が見た目にわかりやすいのは行司装束で、基本は直垂(ひたたれ)と烏帽子(えぼし)を着用し、軍配を持っています。これは、600年程前の武士の服装です。階級によっての違いは、胸の菊とじ(ひも)、軍配に下がっている房は、最高位の立行司である木村庄之助が紫、同じく式守伊之助が紫と白。三役格は朱、幕内格は紅白、十両格は青(緑)と白、それ以下はすべて青(緑)か黒となっています。三役格より上の行司は白足袋に草履が履け、幕内格と十両格は足袋だけ着用します。幕下以下の行司は、素足で袴は膝下まで括り上げています。このことから別名”はだし行司”といわれます。この行司の装束も歴史的に変化しており、明治43年までは裃(かみしも)、袴姿だったそうです。最高格である立行司は、かならず短刀を差しています。これは昔、行司が軍配を差し違えてしまった場合、切腹するという規則があったからです。現在は切腹するようなことはもちろんありませんが、進退伺いを出し、一場所で三回以上差し違いをした場合は、無条件で一枚降格処分というペナルティが課せられます。行司の番付は力士の番付とは独立しているので、幕内格の行司が十両の取組を裁いたり、十両格の行司が幕下の取組を裁くことがあります。しかし、明確に待遇に差がつけられており、例えば本場所で幕下格の行司に替わって、十両格の行司が土俵に上がると、通常土俵の照明が暗くしてある幕下の取組であってもその時だけは照明が明るくなります。
この明確で厳しい差別化が相撲のいいところだと思います。下位の力士の向上心やモチベーチョンを上げるためのロジックとしては、とてもよく出来た仕掛けだと思います。また、行司が差し違えた場合のペナルティが明確に決まっているところも、他の格闘技・武道・武術の試合で参考になるのではないかと思いました。

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