当身技 3
当身技 3
多くの日本古流の柔術には握り方に共通点が見られます。中高一本拳と親指を他の四指で握るものがあります。後者の拳の作り方は荒木流をはじめとしたいくつかの流儀に見られます。これは相手を打ったときに親指を痛めないためと、親指の逆を取られないようにするためとされています。また、急所を打ちやすいなどの利点があります。
日本柔術の当身では現在の空手のように手の甲を上に向ける突き方はほとんどありません。多くは縦拳か逆に手の甲を下に向けて突きます。これは柔術の戦闘法がかなりの接近戦であるため、拳を回転させると手首・肘・肩などの逆をとられやすくなるためだとされています。柔術では拳を使って顔面を突くことはあまり無く、手刀や掌底、裏拳、鉄槌を使用することが多いです。おそらく、体の中でも比較的堅い頭部を拳で突き、突いた拳を痛めると、その後の攻防に差し支えるためであろうとされています。また拳よりも掌底の方が脳にダメージを与えやすいという所もあったかもしれませんね。組み付かれた場合には頭突を使用することもあります。腹部の攻撃には拳・手刀・肘・足等を用い、蹴り技は腰から下の場合が多いです。腰から上を蹴らないというところは古流空手と同じですね。
古流柔術の当身技の技術を見ると、とにかく”生き残るため”という思想が強く感じられます。なるべく危ない橋は渡らないようにしようという考えのもとに技術を研ぎ澄ましてきたという感じがします。やはり、剣を相手に闘うということは、これ位慎重でないといけないという事でしょうか。現在の格闘技・武道・武術が失いつつある”凄み”のようなものを感じます。

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