大相撲・弓取式 2
大相撲・弓取式 2
弓取を行なう力士は向正面に控えとして座り、結びの1番で東西勝った方角から土俵に上がり、弓を振り四股を踏みます。弓取を行なうのは原則として幕下力士で、幕下力士は十両との取組がある場合や、弓取式を行う際にのみ特別に大銀杏を結うことができ、化粧まわしを締めて土俵に上がることができます。基本的には横綱がいる部屋の力士によって行なわれ、横綱がいない場合は大関のいる部屋から選出されます。
どういうわけか、弓取式を行った力士は、関取になれないというジンクスが相撲界にありました。しかし、1990年5月場所まで弓取を勤めていた九重部屋の巴富士が小結に昇進したことにより、こう言われる事が少なくなりました。 もし、弓取式で弓を落とした場合、負けとならないために手で拾わずに、足で拾います。また、弓が土俵の外にまで飛んでしまった場合は呼出が拾って手渡すことになっています。
弓取式の歴史にも諸説あるようで、有名なものには織田信長が、元亀元年、安土の常楽寺で行った相撲会で、優勝した宮居眼左衛門に、褒美として信長秘蔵の「重藤の弓」を与え、これを貰った宮居が弓を取り舞ったことからはじまったとする説があります。いずれにしても、相撲が現代の格闘技と違う所は、弓取式のような形式を重んじる所ではないかと思います。試合開始もゴングなどのように、「よ~い、スタート!」で始まるのではなく、闘うもの同士の間合いで立ち会う所も相撲独自の形式美で素晴らしいと思います。もし、現代の格闘技・武道・武術の試合で、相撲のように闘うもの同士の心の高まりがピタリと合ったところで試合開始となったら、いつもの試合開始にはない緊張感がありそうでいいと思います。

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土俵の力士には土と藁の匂いが濃く染み込んでいる。相撲が好きで50年、本場所を見続けてきた著者が相撲への熱き思いを綴る。
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